スタッフ

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原作・脚本・監督錦織良成

1962年生まれ。島根県出雲市出身。自身の脚本による『BUGS』(96)が東京国際ファンタスティック映画祭に正式出品され映画監督デビュー。『守ってあげたい!』(99)の企画・脚本・監督を手がけ一躍注目を浴びる。初めて故郷島根を舞台にした『白い船』(02)は、同年ミニシアター邦画全国興行成績1位を記録した。主な監督・脚本作品に『ミラクルバナナ』(05)『うん、何?』(08)『RAILWAYS49歳で電車の運転士になった男の物語』(10)=フランスKINOTAYO映画祭金の太陽賞(グランプリ)受賞。『わさお』(11)『渾身 KON-SHIN』(13)など。何気ない日常をとらえる描写力と柔らかな映像美に定評がある。

日本人の心を理解してもらえれば、世界の人の幸せにもつながるはず。

日本人の真のメンタリティーは世界の人たちには伝わりにくいと感じていました。日本製品は世界で認められ、世界中に広まった今でも、それを生み出した根元に日本人の真のメンタリティーが潜んでいることをなかなか気付いてもらえないと、海外での映画撮影や海外の映画祭に行った時に感じていました。

例えば、日本人のメンタリティーを代表するものとして、新渡戸稲造の著書「武士道」があります。欧米では、今でも「武士道」は隠れたベストセラーと言われていますが、やがて日本映画やドラマの中に刀を振りかざす戦闘員として侍の姿が登場すると、そちらが侍のイメージとして世界に定着していきました。それ以降、欧米では侍への理解は深まっていないように思います。多分、我々ですら真の侍への理解は低く、武士道によって紹介されたような日本人の本質が分からなくなっているのかも知れません。古来より日本人は自然に共に生き、自然に還るという死生観を持ち、祭りごとだけでなく普段の生活の中にさえも神を見い出し、自然に対する畏敬の念を持っていました。この日本人のメンタリティーは古くて新しい。まだまだ捨てたもんじゃないと思っています。自分も含めて忘れつつあるけれど、今こそ改めて見直すべきなんだと考えます。

そんな日本人のメンタリティーが、現在、世界の抱えている大きな問題を解決する糸口になるのではないかとも考えました。それがこの映画を企画した切っ掛けでした。日本を世界に伝え理解してもらうのと同時に、日本人が日本を再発見するという意味において、単純にウケそうだから時代劇ということでなく、『たたら侍』では本質的な日本に切り込むことで、日本人であることを心から誇れるエンタテインメント映画にしたい。そして世界の人にあらためて興味を持ってもらいたい、それが若い世代の皆さんにも新しい感覚で伝わってほしいと期待しています。

とかく本格的な映画といえば、欧米を代表してハリウッド大作を思い浮かべますが、真の日本の心を描くダイナミズムは、決して欧米のエンタテイメント作品に引けをとるものではないと思っています。今回、エグゼクティヴ・プロデューサーを務めてくれたHIROさんとの出会いは、そういう思いを具体にできると確信できた大きな出来事でした。HIROさんと二人で話しているとワクワクして発想や夢が広がりました。この映画の根源である「たたらの伝承」というモチーフは、まさにHIROさんと二人で目指す本物を作り続けるというプロジェクトの第一歩として、また、先人たちが本物を作り続けてきた証として、大変、意味のあることだと思っています。それは「たたら」に限定されたものではなく、私たちが気づけないだけで日本全国に存在していると思います。

最後に、この『たたら侍』が多くの皆様のご協力を得て作り上げることができたことを心から誇りに思っています。

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エグゼクティヴ・プロデューサーEXILE HIRO

神奈川県出身。1990年にZOOのメンバーとしてデビュー。1999年J Soul Brothersを結成し、2001年EXILEと改名して再始動。パフォーマー兼リーダーとして、EXILEを国民的グループに押し上げる。
2013年パフォーマーを勇退。2015年12月には、ダンスパフォーマンスとボーカルを巧みに組み合わせた活動のほか、プロデューサーとしての活躍も評価され、日本の芸術文化の振興に貢献しているとして、芸術文化活動などで優れた功績を挙げた人に贈られる文化庁長官表彰を受ける。
2017年からLDH新体制においてLDH WORLDのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとしてクリエイティブを統括し、世界の拠点と連携し世界基準でのエンタテインメント創造に情熱を注いでいる。

JAPAN PRIDEをテーマに、日本の素晴らしさを伝える映画を一緒につくりあげたい。

『たたら侍』の出雲は縁結びの神様ゆかりの地で、錦織監督との出会いには不思議な縁を感じています。監督はとことんこだわって、自分で全部つくり上げていく人。その人間性、映画に懸ける情熱、本物志向など、自分もプロデューサーという立場なのですごく共感できました。それに僕は監督の映像美が大好きですし、一緒にコミュニケーションをとることで理想の映画ができる予感があって…。また、錦織監督はこれまで島根の文化、日本の文化を映画にしてきています。EXILEも“日本”には特別な想いを抱いてきたので、監督となら本当に日本の素晴らしさを世界にわかってもらえる作品がつくれるんじゃないかと思いました。
今回の映画のモチーフは「たたら」という日本伝統のものづくりで、知る人ぞ知る国宝級の文化だと思います。本物にはやっぱり、自分も無条件に心を動かされる。僕らEXILEもつねに本物を追求してきたので、『たたら侍』はその延長線上にあるものとして是非やってみたいと素直に思いました。題材はまさにJAPAN PRIDEのテーマにふさわしい本物中の本物なので、錦織監督、主演の青柳、映画に関わる全員と共鳴しあって全力で盛り上げていきます。

僕らのエンタテインメントの可能性はたくさんあると信じていて…。より多くの人たちにEXILEの理念“Love, Dream, Happiness”を伝えたいし、世界にも僕らのエンタテインメントを広げていきたいという想いがあります。だから、僕らにとって新たなエンタテインメントである映画にも挑戦していこうと決めましたし、これは僕自身の夢でもありました。
世界のエンタテインメント界では、まだまだ日本の良さは認められていないと思います。日本のクオリティは高いのに、同じ日本人として伝わっていないのが正直悔しいです。自分には日本人のDNAを持つひとりとして、日本の存在価値を世界にもっと証明したいというシンプルな気持ちがあります。僕は日本で生まれ、育てられ、今こうして日本のエンタテインメント界で食べさせていただいている。日本の良さを世界の人たちに伝える義務もあるだろうし、日本の本物のエンタテインメントを海外に発信することは、きっと恩返しにもなると信じています。

撮影佐光朗

1958年生まれ。和歌山県出身。高校卒業後、仙元誠三、佐々木保志に師事する。「妖怪ゴーストヒーローズ」で撮影デビュー。日本でのステディカムオペレーターの第一人者。主な作品に、「ピンポン」「海猿」(共に04)、「UDON」(06)、「風が強く吹いている」(09)、「プリンセス トヨトミ」(11)、「鍵泥棒のメソッド」(12)、「プラチナデータ」(13)、「幕が上がる」(14)などがある。

照明吉角荘介

1956年生まれ。三重県出身。「泥の河」「セーラー服と機関銃」(共に81)などで照明助手を務め、87年、「四月怪談」にて照明技師デビュー。近年の主な作品は「一五才 学校Ⅳ」(00)、「半落ち」(03)、「蝉しぐれ」(05)、「少年メリケンサック」「キラー・ヴァージンロード」(共に09)、「探偵はBARにいる1・2」(11、13)など。錦織良成作品は「守ってあげたい!」(99)、以降全作品への参加になる。

録音西岡正己

1960年生まれ。兵庫県出身。主な作品に、「ろくでなしBLUES’98」(98)、「なぞの転校生」(98)、「皆月」(99)、「タイムレスメロディ」(00)、「自殺サークル」(01)、「ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状」(06)、「海でのはなし。」(06)、「あなたを忘れない」(07)などがある。

美術監督池谷仙克

1940年生まれ。東京都出身。日本映画・テレビ美術監督協会会員。武蔵野美術大学で学んだのち、円谷特技プロダクション(現:円谷プロダクション)の作品に参加。「ウルトラマン(66‐67)」の特殊美術助手を経て、「ウルトラマンセブン」(67‐68)特殊美術でデザイナーデビュー。「写楽」(93)、「瀬戸内ムーンライトセレナーデ」(98)で日本アカデミー賞最優秀美術監督賞を受賞。

編集日下部元孝

1970年生まれ。東京都出身。90年、日活撮影所入社。「アンチェイン」(01)で編集技師デビュー。主な近作に、「空中庭園」(05)、「陽気なギャングが地球を回す」(06)、「三年身籠る」(06)、「フレフレ少女」(08)、「ホノカアボーイ」(09)、「小野寺の弟・小野寺の姉」(14)などがある。「桐島、部活やめるってよ」(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀編集賞を受賞。錦織良成監督作品には「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」(10)以降の全作品に参加。